コーポレート・ガバナンス

2024年11月7日現在

当社は「継続的な企業価値の向上」を経営の最重要事項としています。その実現のためには社会から信頼を得られる経営の環境整備が必要であり、コーポレート・ガバナンスの充実を重要な課題と位置付け、意思決定の迅速化、経営の妥当性の監督機能強化、企業倫理に根ざした企業活動の透明性の確保などに取り組んでいます。株主ならびに投資家の皆様に対しましては経営の透明性、フェア・ディスクロージャーの観点から、適切かつ迅速な情報開示を実施するよう努めています。今後もさらに積極的な情報開示を進め、ステークホルダーの皆様との十分なコミュニケーションを図っていきます。

当社は、取締役の業務執行に対する監督機能の一層の強化と経営の透明性・公平性を高めるため、3名の社外取締役を選任しています。

当社は、監査役会設置会社であり、社外監査役3名を含む監査役会は、監査・監督機能を十分に発揮して、取締役会の意思決定にかかる透明性の確保に努めるとともに、取締役会や経営会議など重要会議への出席、重要な決裁書類の閲覧、グループ各社の調査など多面的な監査を行っています。

企業の社会的責任(CSR)を自覚し、グループ各社の部署ごとにコンプライアンス推進・リスク管理担当者を置くとともに「コンプライアンス委員会」と「リスク管理委員会」がグループ全体のコンプライアンス及びリスク管理の対応を統括・推進する体制を構築しており、グループ各社のガイドラインを策定した上でグループ全体の相談・通報体制を整えています。なお関係会社の管理にあたっては「関係会社管理規程」を制定し、その経営等は自主性を尊重しつつ、事業内容の定期的な報告と重要案件についての事前協議を行う指導体制とし、また内部監査部門は「内部監査規程」に基づきグループ各社の監査を実施し、監査結果に応じて統括部署の責任者が指示、勧告または適切な指導を行っています。

会社機関の内容および内部統制システムの整備の状況等

1. 会社機関の内容

当社は監査役会設置会社を選択しており、取締役会及び監査役会等を設置しています。

当社は経営の意思決定及び業務執行の監督機能を担う取締役と業務執行機能を担う執行役員の役割を明確に区分するために執行役員制度を導入しています。取締役会は月1回の開催を原則とし、業務執行に関する重要事項の決定、取締役の職務の執行を監督する場として、十分な議論と時宜を得た意思決定を図っています。業務執行に関しましては社内取締役及び統括責任者(CxO)からなる経営会議を設置し、当社及びグループ会社の業務執行に関する重要事項を協議しています。さらに3名の社外取締役を選任し、その独立性及び豊富な経験、高度な専門性を活かして経営の透明性と監督機能の強化を図っています。

また当社の監査役会は常勤監査役2名、社外監査役3名の計5名で構成し、監査・監督機能の発揮による透明性の高い意思決定のできる仕組みを整備しています。

ガバナンス体制図

図:ガバナンス体制図

2. 内部統制システムおよびリスク管理体制の整備状況

当社は健全な企業活動を継続するため内部統制システム及びリスク管理体制の整備に取り組んでいます。内部統制の仕組みである社長直轄組織としての監査室を設置し、随時必要な内部監査を実施しています。

内部統制システムにつきましては、以下の通り基本方針に沿って体制を構築しています。

基本方針

「キョーリンは、生命を慈しむ心を貫き、人々の健康に貢献する社会的使命を遂行します。」という企業理念の下、国の内外を問わず、関係法令、国際ルール及びその精神を遵守し、高い倫理観を持って行動します。

  1. (1)担当執行役員を委員長とし、法務コンプライアンス部を統括部署とした「コンプライアンス委員会」を設置しており、監査室長も委員として参加しています。役職員には、「企業倫理・コンプライアンス規程」を制定し、研修等による教育指導や、企業倫理及び法令規制に関する相談対応を行うとともに、公益通報等窓口として企業倫理ホットラインを設置し「内部通報規程」に基づき運用を行っております。また、財務報告の適正を確保するために「財務報告に係る内部統制の評価及び報告に関する規定」を制定し、当社グループの財務報告に係る内部統制の有効性と信頼性を確保できる体制を構築しています。
  2. (2)担当執行役員を委員長とし、総務部を統括部署とした「リスク管理委員会」を設置し、リスクの軽減・未然防止体制の構築及び運用を行います。コンプライアンス、環境、災害等に係るリスクについては「リスク管理規程」をはじめ、各種対応マニュアル等を整備し、速やかに対応する体制をとります。有事においては社長を本部長とした「有事対策本部」を設置し、危機管理にあたります。
  3. (3)取締役の意思決定、その他職務の執行及び取締役に対する報告に関する情報については、「文書管理規程」、その他の社内規程に基づき適切に作成、保存、管理します。
  4. (4)監査役の監査が実効的に行われることを確保するため、会計監査人から会計監査内容について説明を受け、情報の交換を行うとともに、監査室とも連携して適切な意思疎通と効果的な監査業務の遂行を図ります。
  5. (5)グループ各社に「コンプライアンス委員会」及び「リスク管理委員会」を置き、それらの統括は当社が行い、グループ全体のコンプライアンス及びリスク管理の対応を推進します。また、グループ全体の相談・通報体制を構築しています。

なお、関係会社の管理にあたっては「関係会社管理規程」を制定し、その経営面では自主性を尊重しつつ、事業内容の定期的報告と重要案件についての事前協議を行う指導体制を構築しています。

監査室は「内部監査規程」に基づきグループ各社の監査を実施し、監査結果に応じて統括部署が指示、勧告または適切な指導を行っています。また、「財務報告に係る内部統制の評価及び報告に関する規程」に基づき、財務報告に係る内部統制の評価と報告を行い、経営者が信頼性のある内部統制報告書を作成できる体制を構築しています。

3. 反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方及びその整備状況

当社は企業理念を踏まえ、企業倫理、コンプライアンスの遵守に向けて「杏林製薬企業行動憲章」及び「コンプライアンス・ガイドライン」を制定し、市民社会の秩序または安全に脅威を与える反社会的勢力・団体との関係を排除するとともに断固として許容しない姿勢で臨むこととしています。

反社会的勢力による不当要求に備えた平素からの対応状況としては、反社会的勢力・団体との接触があった場合に備えてグループ各社の本社・事業所に「不当要求防止責任者」を設置しており、警察当局、顧問弁護士等と連絡を密にして反社会的勢力・団体に関する最新の動向・情報を収集すると同時に緊急時の指導・相談、援助の体制を構築しています。また、各社員の初期対応に備えるため「クレーム・トラブルの初期段階での対応(電話時・来社時)」マニュアルを作成し、適切に対処できる体制を整備しております。

4. 監査体制について

(1)監査役監査の状況

各監査役は期初に監査役会が策定した監査方針及び監査計画に従い監査を行っています。また取締役会や経営会議など重要会議への出席、重要な決裁書類・資料の閲覧、各部・事業所・グループ会社の調査など多面的な監査を行っています。

(2)監査役の機能強化に向けた取り組み状況

社外監査役3名については何れも経営陣や特定の利害関係者の利害に偏ることの無い中立的立場で企業法務、財務・会計等に関する相当程度の知見を有しており、専門的見地と広い見識・経験をいかした監査機能の充実、強化が図られています。

役職員が法令・定款に違反する行為などを知った場合は、直ちに監査役に通報する体制をとっており、役職員との緊密な連携と監査に対する理解を深めることにより、監査役監査の効率化への環境整備に努めています。

(3)内部監査の状況

内部監査につきましては通常の業務部門から独立した社長直轄の監査室(7名)が年度ごとに作成する内部監査計画に基づき、当社及びグループ会社の経営活動における法令遵守状況と内部統制の有効性・効率性について定期的に検討・評価しております。内部監査の過程で確認された問題点、改善点等は直接社長へ報告するとともに改善のための提言を行っています。

また、財務報告に係る内部統制の評価部署として、予め定めた評価範囲を対象にその統制の整備状況・運用状況の有効性を評価し、社長へ報告を行っています。

(4)会計監査の状況

当社は、会社法及び金融商品取引法の規定に基づき、EY新日本有限責任監査法人により監査を受けています。

なお、監査業務を執行した公認会計士等は次のとおりです。

(公認会計士の氏名等)

指定有限責任社員 業務執行社員 香山 良

指定有限責任社員 業務執行社員 春日 淳志

監査業務に係る補助者の構成は、公認会計士5名、会計士試験合格者等7名、その他7名であります。

監査役会は監査室及び会計監査人と定期的かつ綿密な情報・意見交換を行うことにより、監査体制の充実を図っています。

5. 会社と会社の社外取締役および社外監査役の人的関係、資本的関係または取引関係、その他の利害関係の概要

該当事項はありません。

社外取締役及び社外監査役を選任するための独立性に関しては、当社グループの役職員(過去10年間含む)、主要株主・主要取引先及び当社グループを主要取引先とする者・当社グループから多額の金銭等を受けている者(法人・団体等である場合は所属する役職員等。過去5年間含む)等に該当する者の配偶者又は二親等以内の親族(過去は含まず)、その他一般株主と利益相反が生じる恐れがあり独立した社外取締役又は社外監査役として職務を果たせないと合理的に判断される場合等に該当しないことを判断基準としています。なお、社外取締役 鹿内徳行、重松健、渡邉弘美の3名及び社外監査役 山口隆央、池村幸雄、森田憲右の3名は、(株)東京証券取引所の定めに基づく独立役員の要件を満たしているため、独立役員として同取引所に届け出ております。

6. 役員報酬の内容

役員の報酬については、当社グループの持続的かつ安定的な成長による企業価値向上に寄与する報酬とすることを基本方針とし、具体的には金銭を給付する「基本報酬」と当社株式等を給付する「株式報酬」の2つの報酬で構成しています。

「基本報酬」は経済・社会の情勢及び世間水準を背景に役位ごとに適切な給付水準を定めるとともに、会社の状況とそれに対する各役員の成果責任を反映させる報酬体系としています。また「株式報酬」は、業績に連動する報酬で、株式給付信託の仕組みを採用しており、中期経営計画の期間を対象に、毎年、会社及び各役員の業績に連動する株式給付ポイントを付与し、当該期間終了後(給付対象となる役員が退任した場合には、当該役員の退任時)に累積ポイントに応じて当社の普通株式等(一定の要件を満たす場合には、一定割合について時価で換算した金額相当の金銭)を給付することとしています。中長期の業績の安定及び向上を重視する観点から、「基本報酬」に対し「株式報酬」の割合が過度にならないよう設定しています。

社外取締役については、経営の監督機能を十分に機能させるため、報酬は毎年の業績と連動しない「基本報酬」のみとし、「株式報酬」は対象外としています。

2024年3月期の取締役に対する報酬の額は、取締役9名に対し、199百万円(うち社外取締役3名に対し33百万円)であります。取締役の使用人分給与相当額はありません。

なお、上記の額と員数には、2023年6月23日付けで退任した取締役3名を含んでいます。

その他、詳細についてはコーポ―レート・ガバナンス報告書をご覧ください。