キョーリン リメディオでは、独自の「強み」を有し、存在感のある事業活動を行い、社員が誇りをもち笑顔で活躍できる企業の実現を目指しています。
当社を取り巻く事業環境は、毎年の薬価改定の実施、一部の企業における品質問題に端を発して広がった供給不安、あるいは物価高、エネルギー価格の高騰による原価上昇、という厳しい状況が続いています。
特に安定供給については、製造移管を中心に製品供給能力の強化を進めており、現在建設中の高岡工場の稼働により、安定供給を実現します。また今後の環境変化に対応するため、高岡創剤研究所において新しい分野へ挑戦し、一層の開発力強化を推進します。
環境変化(社内外)
- 医療財政逼迫に伴う医療費・薬剤費抑制策の推進
- 製薬企業への信頼性確保の要望の高まり
機会
- 薬剤費抑制策の推進に伴う後発医薬品の需要増加
- 大型先発医薬品の特許切れ
- 高品質な製品に対する需要の高まり
リスク
- 後発医薬品使用促進のためのインセンティブの減少
- 毎年の薬価改定による収益性の悪化
- 原材料費、エネルギー価格の高騰
中期経営計画 「Vision 110 -Stage 1-」の取り組み
事業戦略後発医薬品事業の持続成長の実現
- 新規追補収載品の開発力を高いレベルで維持し、新規追補品を中心に成長を加速する
- グループ外を含め生産・調達体制を強化し、安定供給に努める
- 事業環境に対応できる低コスト体制を構築する
中期経営計画の施策
追補収載品の創出力を維持・強化し、成長を加速する
キョーリン リメディオでは、安心して使用できる後発医薬品をお届けするために、医療関係者、患者さんの立場に立ち、医療現場での使いやすさや患者さんの服薬のニーズに応える製剤や包装の工夫を行ってきました。
今後は事業環境の変化に備えるべく、低分子化合物だけでなく、高薬理活性剤、抗がん剤、ニッチ領域の製剤等の新しい分野への挑戦も視野に入れ、専門性・人材・組織機能を強化して、自社開発力を高めていきます。
強みをもった存在感のある後発医薬品企業を目指し、事業推進に努めます。なお2022年度は、4成分8品目の追補収載品を上市しました。
生産・調達体制を強化し、安定供給に努める
一部の企業における品質問題に端を発して広がった供給不安は、いまだ解消されていません。グループ一丸となって生産・発注計画の最大化を行っています。外部リソースの活用も含め、安定供給のための製品調達量の拡大に努めます。
事業環境に対応できる低コスト体制を構築する
キョーリン リメディオでは、これまでバランスの取れた複数の販路を通じた販売を強みとしてきましたが、今後はその強みを活かしながら、営業体制の変革により効率化を図るとともに、選択と集中により販売力とコスト競争力を高めていきます。
オーソライズド・ジェネリック(AG)に取り組む
当社グループは、医療関係者や患者さんの様々なニーズに応えるべく、先発品、AGの両方を販売し、市場で一定の評価を得ています。現在販売中の「キプレス」のAGであるモンテルカスト錠「KM」、「ナゾネックス」のAGであるモメタゾン点鼻液50μg「杏林」、「ウリトス」のAGであるイミダフェナシン錠・OD錠0.1㎎「杏林」は、それぞれの後発医薬品市場内でシェア50%以上を獲得しています。
高岡創剤研究所
追補収載品の自社開発力を高いレベルで強化する
後発医薬品事業の根幹である追補収載品の開発力を強化する目的で、2017年7月に設置した高岡創剤研究所は、開発品目の特許調査・企画戦略から原薬評価、製剤設計及び品質評価、臨床試験、薬物濃度測定まで、申請データの取得に必要な機能を有しています。この製剤開発力の質と開発スピードをより向上させるために、他社との共同開発や富山県の産学官の連携システムを積極的に活用し、オープンイノベーションを推進するとともに、異なる専門性を有する研究者を同じ部内に配するなどの組織再編を行い、コミュニケーションの活性化に取り組んでいます。
中期経営計画 「 Vision 110 ーStage1ー」で目指す姿
研究者の専門性を高め、所員のコミュニケーションを活性化することで人材・組織機能を強化し、製剤開発の質の向上とスピードアップを図ります。さらに低分子化合物だけでなく、新しい分野(高薬理活性剤、抗がん剤、ニッチ領域の製剤等)にも挑戦することを検討し、これまで以上に製品の拡充に努め、魅力的な後発医薬品を提供できるよう取り組みます。
高岡工場
市場の需要に応える高品質な製品の供給
後発医薬品の主力工場として、2024年4月の稼働を目指す高岡工場の建設は、当社グループにおける最重要プロジェクトの一つであり、キョーリン リメディオが行う後発医薬品事業の成長に直結する優先課題と位置づけています。異物混入等に端を発した、医療用医薬品の品質問題は、後発医薬品の供給不足へと発展し、社会問題となっています。高岡工場の稼働により、後発医薬品の生産能力の強化を図り、市場の需要に確実に応える生産体制の構築を目指します。
高岡工場は、主に後発医薬品の製造を行う井波工場の2倍以上の製品供給能力となる、年間約20億錠の内服固形剤の生産能力を有します。本格生産体制を早期に構築するとともに、既存工場を含めた製造数量の拡大を推進することで、さらなる生産体制の拡充を図ります。
GMPレベルアップによる信頼性の向上
高岡工場は、GMP(医薬品等の製造管理及び品質管理の基準)のレベルアップを実現できる施設です。製造・品質管理に関わる法令遵守及び品質管理体制の一層の強化・徹底を図り、安心・安全な製品の安定的な供給を進めます。
環境面では、既存の生産拠点よりもCO2排出量を大幅に削減できる設計とするだけでなく、液化天然ガス(LNG)などクリーンエネルギーや、水力発電等の再生可能エネルギーの積極的な活用により環境負荷軽減を進めます。また各種作業の省力化や製造効率の向上を図り、安定供給と低コスト生産の達成を目指します。