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研究開発の現場

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裁量があるから、
面白い。

Kyorin キョーリン製薬 RECRUIT

ENTRY

TAKEKAZU KONDOU

近藤 丈和

わたらせ創薬センター
合成第一研究所
2014年入社
薬学系研究科(博士卒)

※掲載内容は取材当時のものです

Profile

自らの小児喘息の経験から、キョーリン製薬に入社。入社後1年間は現部署にて化合物の探索合成に従事。翌年、現合成第二研究所に出向し、プロセス研究にも1年間従事した。趣味はギターだが、最近は子どもの世話に追われ、触れていない。

実験失敗があって当たり前。
それぞれ工程を楽しむ気持ちを持つ。

なぜ、キョーリン製薬の創薬に携わろうと考えたんですか?

元々、製薬会社の研究職を中心に就職活動を行っていましたが、小さい頃に小児喘息を患っていた経験から、呼吸器疾患に力を入れているキョーリン製薬を志望しました。それに加え、大学院時代にキョーリン製薬から学位取得のために出向されていた方との出会いも大きいです。スピーディーに仕事をして成果を出す姿を見て「こんな方と一緒に働きたい」と思いました。実際に入社してみると、職場全体に相談しやすい雰囲気があり、適度な距離感でさり気なくフォローしてくださる先輩方が多く、仕事のしやすさを実感しています。

現在の仕事内容について教えてください。

私が所属する合成第一研究所(一研)は、合成部門と分子設計部門から成り、「薬の種」を創出する部署です。化合物の薬理、薬物動態、物性、安全性に関するデータを解析し、薬となる化合物を設計・合成しています。その中で私は、化合物の設計と合成を担当しています。各テーマの「ヒット化合物」から、薬理活性の向上を目指した合成展開を行ったり、薬理活性を維持しつつ物性や薬物動態の改善を狙って誘導体展開を行いながら、「薬の種」となる化合物を探索していきます。もちろん、多数の化合物を合成しても望むデータが得られなかったりと、研究には失敗がつきものです。繰り返しの作業も多く、ときに煮詰まることもありますが、チーム内外、部署内外を問わず色々な方に相談したり、頭を切り替えてみたりして、一つひとつの工程を楽しむつもりでやっています。

合成第二研究所(プロセス合成)への出向経験もあるんですね。。

2015年から1年間、合成第二研究所(二研)に出向していました。二研は、一研で見出された有望な化合物を工業的にスケールアップできるようにする部署で、いわば「薬の種」を「医薬品」に仕上げていく部署の一つです。二研では、「安全」「時間」「コスト」そして何より「品質」を意識しなければならず、これまで一研で候補化合物の探索合成のみを追いかけていた私にとって、「工業化スケールで合成しやすい化合物かどうか」という新たな視点に気付かされた経験でした。一研にいただけでは、自分が合成した化合物が実際に工場で合成可能であるかまで気にすることはなかったかもしれません。こういった若手を中心とした二研への出向はこの数年、行われており、自分たちの研究の先のステージを見ることで、より視野を拡げ有用な化合物の探索・合成を促すチャレンジのひとつであると思います。

裁量与えてもらえる環境が、
研究へのモチベーション拡大させる。

これまでで、印象的だった出来事はありますか?

ある化合物の量産プロジェクトの手伝いに、二研に出向した時のことです。原薬合成の最終工程でそれは起きました。様々な試験の関係上、化合物提出締め切りの1週間前までに、原薬を粉末で用意する必要があったのですが、最終工程実施予定日の前日に、当時の製造方法では微量不純物が除けていなかったことが発覚したのです。スケジュールを見直しても、3日以内に改善する方策を見つけ、実施しなければなりませんでした。厳しい時間制限の中、これまでの蓄積データを分析し、反応条件中で「ここを改善すればよいのでは」という見当を付け、無事、不純物が生成しない方法を見出すことが出来ました。ギリギリの展開ではありましたが、なんとかその化合物を先の段階に進めることができ、安心したことを覚えています。

研究者としてのキョーリン製薬の良さは何でしょうか?

キョーリン製薬は、若手を信頼してくれる土壌があります。与えられた仕事であっても、その中に自分の考え、アイデアを入れ込んで実施することをよしとする先輩、上司が多いですね。自分の考えを反映できるのは研究者としてはとても楽しく、やりがいを感じています。例えば、テーマを進めていく上で、「どのような誘導体展開を行うか」は若手、それこそ入社1年目であっても、自由に考え、実施させてもらえる環境があります。もちろん、なぜその化合物をつくるのか?を周囲に説明する必要はありますし、ディスカッションの中で方向性やアイデアが決まってしまうこともありますが、裁量を与えてもらえるのは研究者としてモチベーションが上がる環境です。「次はこれをしてみよう」と、とてもいいサイクルの中で仕事ができています。この良い環境下で研究者として成長し、ゆくゆくは拡い視野で合成全体を引っ張っていくような存在になりたいです。

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