ニュースリリース

RSS

抗真菌剤ぺキロン・ネイルラッカーが(株)資生堂との共同開発で第二相臨床試験へ

1998年12月 1日

杏林製薬株式会社(社長 荻原郁夫 資本金 36億23百万円)は、株式会社資生堂(社長 弦間明 資本金 582億15百万円)と共同開発中である抗真菌剤ぺキロン(一般名:塩酸アモロルフィン)・ネイルラッカーの第二相臨床試験を12月より、開始致します。

杏林製薬(株)と(株)資生堂は1995年9月に、ぺキロン・ネイルラッカーの共同開発に関する契約を締結し、これまで開発を推進してきました。今後も2004年の製造承認申請を目指して両社で開発を進め、承認取得後は、製造は(株)資生堂が、販売は杏林製薬(株)及び(株)資生堂の両社で行う予定です。

現在の爪白癬(爪の水虫)の治療は、主に経口の抗真菌剤によって行われていますが、長期の服用が必要であり、出来るだけ副作用の少ない、安全な薬剤が求められていました。そうしたニーズに応えるには、全身に作用する経口剤より爪に直接塗るタイプのネイルラッカーの方がその治療に適当であるとの考えのもと、杏林製薬(株)はその製剤化に関して、ネイルラッカーと類似するマニキュア(化粧品)の製造技術に優れている(株)資生堂に共同開発を依頼し、一方、資生堂側も化粧品および皮膚科領域における自社の得意技術を活かした医薬品開発に意欲を示し、契約に至りました。

ネイルラッカー製剤は現在日本にはなく、新剤形の抗真菌剤として爪白癬の治療に関して、市場に広く受け入れられるものと考えています。杏林製薬(株)にとっては、自社にない製剤のノウハウの獲得、及びぺキロン剤の品ぞろえによる売上の拡大、(株)資生堂にとっては自社の得意技術を活かした医薬品事業の拡大につながるものと期待をしています。

参考

1)ぺキロン(塩酸アモロルフィン)

F.Hoffmann-La Roche社(スイス)が開発したモルホリン系の抗真菌剤。杏林製薬が導入し、現在「ぺキロンクリーム」(1994年上市)の商品名で発売中。皮膚糸状菌、酵母類及び癜風の主要菌種に対して強い抗菌活性を有します。また、皮膚浸透性に優れ、作用時間が長いため、一日一回の塗布で白癬、皮膚カンジダ症及び癜風に対して、優れた臨床効果を発揮します。9年度売上げは8億円。

2)ネイルラッカー

爪に直接塗るマニキュアタイプの製剤。エタノールを主成分に皮膜形成剤など数種類の成分からなる。

Get Adobe Acrobat Reader

PDFファイルをご覧いただくには、アドビシステムズ社が配布しているAdobe Reader(無償)が必要です。Adobe Readerをインストールすることにより、PDFファイルの閲覧・印刷などが可能になります。

Adobe Readerのダウンロード